だが一方で、EAが使用できないファームや、細かいルールが存在することも事実だ。
この記事では、EAを使ってプロップファーム審査を突破し、継続的に収益を得るための知識を体系的に解説する。
対応ファーム一覧・審査に通るEAの設計・使ってはいけないロジックなど、すべて網羅する内容だ。
EAトレードを活用し、最短で資金提供を受けるロードマップを知りたい方は、ぜひ最後まで読んでほしい。
プロップファームにおけるEA(自動売買)の現状とは?
トレーダーのスキルや戦略に基づいて資金提供を行う「プロップファーム」は、今や世界中で注目されている仕組みだ。
そして近年、審査合格から収益化までを一気に効率化できる手段として「EA(エキスパートアドバイザー)」を導入する動きが急増している。
ここでは、EAとは何か?、そしてそれがプロップファーム内でどのように活用されているのかを、基本から解説する。
EAとは何か?プロップファームでの使われ方
EAとは「Expert Advisor」の略で、MT4やMT5といった取引プラットフォーム上で稼働する自動売買プログラムのことを指す。
これにより、事前に設定したルールに基づいて、売買・決済・ロット管理などを自動化できる。
手動では難しい高速なエントリーや複数通貨ペアの同時監視も可能になるため、感情を排除したトレードが実現する。
プロップファームでは、EAを使っても「資金提供型チャレンジ」の審査を突破できるファームと、EA使用を禁止しているファームに分かれる。
そのため、使えるかどうかは事前に確認が必須だ。
自動売買を導入するメリットとデメリット
以下に、EA導入によるメリットと注意点を簡潔にまとめた。
| メリット | デメリット |
| 感情に左右されないトレードが可能 | ロジックのバグや想定外の相場変動に弱い |
| 複数のポジションを同時に処理可能 | VPSやMT4の設定ミスで動作停止するリスクあり |
| 24時間自動でトレードが継続 | ファームのルール違反になる可能性がある |
MT4・MT5との連携について
EAは、主にMetaTrader 4(MT4)とMetaTrader 5(MT5)で利用されている。
各プロップファームがどちらのプラットフォームを対応しているかによって、使えるEAも異なる点に注意が必要だ。
たとえば、海外ファームではMT5のみ対応としているところもある。
さらに、一部EAはMT4専用に作られており、MT5では動作しないという技術的な制限も存在する。
EAを使う前には、プラットフォームの仕様とファームの対応状況を必ず確認することが欠かせない。
EA使用が許可されている主要プロップファーム
EAを使用してトレードできるプロップファームは、まだ限られているが、近年は対応を広げる企業が急増している。
特に海外勢を中心に、EA使用を明確に認めたチャレンジ制度が注目を集めている。
この項目では、国内と海外それぞれのEA対応状況を整理し、人気ファームの対応状況を表形式で解説する。
EA使用可能な日本国内のファーム
現時点で、日本国内においてEA使用を公式に許可しているプロップファームは極めて少ない。
国内ファームの多くは、手動トレードを前提とした評価制度を採用しており、自動売買は禁止もしくは非推奨となっている。
一方、個人単位でEA導入の相談が可能なファームも存在するため、問い合わせによって柔軟な対応を受けられるケースもある。
ただし、審査突破後の商用口座ではEA不可となる例が多いため、注意が必要だ。
海外プロップファームのEA対応状況
海外の主要プロップファームでは、EA使用がむしろ前提とされているケースが目立つ。
特に以下のようなファームが、EAフレンドリーな設計を導入している。
- MyForexFunds(MFF):審査中もEA使用可能、自由度が高い。
- FTMO:特定のEAに制限はあるが、原則使用可能。
- The Funded Trader:スキャル系EAにも対応。透明な評価基準あり。
- Traders With Edge:EA対応明記済。日本語対応サイトあり。
これらのファームでは、MT4・MT5両対応、ロジック制限の明記、EA可否を明確に提示しており、EAトレーダーにとって選びやすい環境が整っている。
人気EA対応ファーム一覧表
以下は、主要ファームのEA対応状況を比較した表である。
| ファーム名 | EA使用 | 使用条件 | 対応プラットフォーム |
| MyForexFunds | 可能 | 審査・本番ともに使用可 | MT4 / MT5 |
| FTMO | 可能 | スキャル系など一部制限あり | MT4 / MT5 |
| The Funded Trader | 可能 | 独自ロジック要審査 | MT4 / MT5 |
| Traders With Edge | 可能 | 一部制限なし | MT4 / MT5 |
EA使用時のルールと制限
EAが使用できるプロップファームであっても、無制限に何でも許可されているわけではない。
各ファームには、それぞれ細かいルールや制限が設けられており、それを把握せずに使えば、アカウント停止や評価失敗のリスクが高くなる。
この項目では、EA使用時に特に重要な「頻度制限」「損益ルール」「アカ停止条件」を整理する。
スキャルピングや高頻度取引に対する制限
EAの多くは、高速での自動注文を行うスキャルピング型だが、これを禁止するファームが非常に多い。
たとえば、1分足以下の取引や1秒以内のエントリー・決済を繰り返すEAは、「市場操作的」と判断され、評価失格の対象になる。
中には、一定時間以上ポジションを保有しないといけない「最低ホールド時間」ルールを設けているファームもある。
このような制限は、EAのロジック設計に大きく影響を与えるため、事前に仕様書を読み込んで対応する必要がある。
ドローダウンや利益率に関する条件
すべてのプロップファームに共通するのが、ドローダウン(含み損の最大値)に関する制限である。
たとえば、FTMOでは「1日5%、総合で10%まで」というルールがある。
この制限を一度でも超えてしまえば、たとえ翌日に爆益が出ていてもアカウントは即終了となる。
EA使用時はこの制限に非常に注意が必要で、ロット調整・SL設定・ポジション数の上限をすべてロジック側で制御できる設計が求められる。
また、ファームによっては、一定の利益目標(例:8%)を達成しないと合格にならないため、リスクと利益のバランスを保つことが重要となる。
EA使用でアカウント停止となる例
以下のような行為は、EA使用中に即時アカウント停止になる可能性が高いので注意が必要だ。
- スキャルピングを多用し、注文数が数千件/日を超えた
- APIやVPSの異常で不自然なタイミングで大量発注された
- 裁定取引(アービトラージ)やレイテンシートレード系のEAを使用
- 複数アカウントで同一EAを同時稼働していた
このようなケースを避けるためにも、使用予定のEAロジックを事前に提出・申告するファームも存在する。
申告制に対応していないと、一方的にアカウント凍結処分となるリスクがあるため要注意だ。
プロップファーム審査を通過するためのEA設計
EAを使ってプロップファームの審査に合格するためには、ファームごとの評価基準に適合したロジック設計が必要不可欠である。
単に収益が出るEAであっても、ドローダウンや取引頻度などの基準に合致していなければ即不合格となるケースも多い。
この項目では、実際に通過実績のあるEA構造や、整合性を担保するためのバックテスト・検証ツールについて具体的に解説する。
審査通過実績のあるEAロジック例
多くの審査通過者が活用しているのは、ミドルレンジのデイトレ型EAである。
これは短期のスキャルピングよりも安定性が高く、1日3〜10回程度の取引で5~8%の利益を狙う設計が主流だ。
実例として、下記のようなロジック構成がよく使われている。
- 通貨:USDJPY / EURUSD(ボラティリティ安定型)
- インジケーター:EMA、RSI、ボリンジャーバンド
- エントリー条件:逆張りシグナル+レンジ判断
- 利確・損切:TP 1.5%、SL 1%、最大2ポジションまで
このように、ファームの制限値を明確に意識した構成であることが特徴だ。
バックテストとライブ取引の整合性
EAを審査に使う際に必ず求められるのが、「実際の取引でもバックテスト通りの挙動をするか」という整合性の検証だ。
これは多くのファームが、EAの過剰最適化(カーブフィッティング)を警戒しているためである。
対策としては、以下のような手法が推奨されている。
- 過去10年以上のティックデータを使用したバックテスト
- ライブ口座でのフォワード計測(最低2週間)
- 「Monte Carlo分析」などによる変動リスクテスト
この工程を怠ると、審査通過後に口座凍結や成績リセットの対象になる可能性が高まる。
検証ツールとリスク管理機能の重要性
現在は、EAの性能だけでなく、リスク管理まで自動化できているかが合否を分けるポイントとなっている。
そのため、以下のような検証ツールや内部機能の導入が求められる。
- myfxbookやfxblueでの成績公開と外部監査
- 1日の最大損失制限(Daily Drawdown)設定
- 連続損失時の自動停止アルゴリズム
- 時間帯制限や経済指標時の取引回避設定
特に、「EA単体ではなく管理機能付きパッケージ」が高く評価される傾向にある。
最近では、EA本体とVPS制御ソフトをセットにした提供も一般的になりつつある。
おすすめのEA・検証ツールと入手方法
プロップファーム審査を突破するためには、優れたEA本体の選定と、それを検証・運用するツールの組み合わせが必要だ。
EAは単なる売買ロジックではなく、パフォーマンスの可視化・監視・設定サポートが揃って初めて合格水準に届く。
この項目では、EAの入手方法と検証サポート体制の整ったツール環境について紹介する。
国内外で人気のEAマーケットプレイス
現在、信頼性のあるEAを入手できる代表的なマーケットプレイスは以下の通りである。
- MQL5マーケット:世界最大規模。審査通過者の多くがここを利用。
- GogoJungle:国内最大手。レビュー数やフォワード成績が見やすい。
- Etsy:海外個人開発者の販売が多いが、プロップ対応は要確認。
- Note / BOOTH:個人ブログや国内販売所経由で配布されることもある。
特にMQL5では、購入前にバックテスト・ライブ履歴・ユーザー評価が確認できる仕様になっており、ファーム審査での相性確認がしやすいというメリットがある。
無料・有料のEA比較と選び方
EAは無料でも入手可能だが、安定稼働・アップデート対応・サポート体制の面で有料EAに軍配が上がることが多い。
以下に特徴を整理する。
| 無料EA | 有料EA |
| 入手コストゼロ | 数千〜数万円の初期費用 |
| 品質にバラつきがある | プロによる開発・継続サポートあり |
| レビューやバックテスト情報が少ない | 検証データや成績追跡が豊富 |
プロップファームでの審査を目的とするなら、安定性と情報開示のある有料EAを選ぶのが確実だ。
パフォーマンス追跡や設定サポートの有無
EA単体の性能だけでなく、その運用をサポートするシステムがどれだけ整っているかも重要な判断基準である。
以下のような要素が整っていれば、審査時の安心材料となる。
- myfxbook連携によるリアル口座の収益可視化
- VPS対応状況(24時間稼働が保証される)
- 日本語ドキュメントや動画マニュアルの有無
- メールやチャットでの初期設定サポート
特にVPS環境については、遅延・クラッシュによる審査失格リスクを回避するためにも、EAと一緒に契約できる仕組みが理想的だ。
EA×プロップファームに関するよくある質問
審査中にEAは使える?
たとえば「FTMO」「MFF」「Traders With Edge」などは、EA使用を明記しており、ロジックさえ問題なければペナルティは発生しない。
ただし、スキャルピング系EAは禁止対象になりやすいので注意が必要だ。
EAで利益が出ても報酬はもらえる?
ただし、一部ファームでは「禁止EAを使用した場合は無効」といった但し書きがあるため、事前のルール確認が必須である。
収益化後もEA継続可のファームを選べば、EAのみで報酬を受け取り続けることも可能だ。
禁止された場合の対処法は?
その場合、サポートに連絡してロジック説明や誤作動の証明を求められる可能性がある。
対応に応じて再試験を許可してくれるファームもあるが、原則的に復旧は難しいと考えた方がよい。
EAは禁止されていないが不合格になった原因は?
審査基準をクリアできなかった場合、使用ツールではなく設定ミスやロジックの構造が問題であることが多い。
不合格時にはログデータやマイレポートで原因分析を行うことが重要だ。
EAの審査提出や申告は必要?
特に、同一ロジックを複数アカウントで使っている場合は、不正と見なされることがあるため注意が必要だ。
安全に審査を受けるなら、事前申告が不要なファームを選ぶか、申告できる準備を整えておくべきだ。
まとめ:EAを活用してプロップファーム審査を突破するには
自動売買(EA)を使ってプロップファームに挑戦するトレーダーは年々増加している。
ただし、「使えるファーム」と「使えないファーム」の見極め、ロジック設計の精度、ルール遵守など、突破には多くの要素が関わる。
このまとめでは、重要なポイントを再確認し、今後の展望を整理する。
EA活用のポイントと注意点
EAで審査を突破し、継続的に報酬を得るためには、以下の点を意識する必要がある。
- EA使用可のファームを選ぶ(明示されているか要確認)
- ドローダウンやスキャル系制限を避ける設計
- 審査条件に最適化されたTP/SL/ロット構成
- 過剰最適化を排除した信頼性のあるバックテスト
- リアルタイム監視やサポート体制を備えたツールの併用
特に、成績が良くてもルール違反なら即失格という点は多くのトレーダーが陥る落とし穴である。
今後の自動売買とプロップファームの動向
海外ファームでは、AIベースのEAやポートフォリオ管理型の自動売買など、新しいトレードモデルの採用も進んでいる。
今後は、EA単体ではなく、EA+VPS+管理ダッシュボードという統合型パッケージが主流になると予想される。
また、ファーム側も審査ロジックを高度化しており、通過にはデータ開示・検証記録が必須になる傾向が強まっている。
トレーダーにとっては、EAを使って「勝てる」だけではなく「評価される」ための戦略設計が求められる時代に突入したと言える。



